櫻田武です。
ヴィゴツキー(Vygotsky,L.S.)は言語発達について次のような理論を唱えました。
>「生まれたばかりの子どもは、頭の中で考えてから話をしているのではなく、わからないながらも他者とのコミュニケーションにより、外的な言語を獲得し、次第に頭の中で使えるようになる。」
>「思考や言語は、第一に社会的・文化的な発達において大人や自分より能力のある者との協同や、やりとりを通して達成され、続いてそれが独力でできるようになる。」
ヴィゴツキーは「外→内」の言語発達、つまり、「社会から個人へ」という方向性を「発達」と考えました。
一方、ピアジェ(Piaget,J.)は反対に「先に頭の中で使う言葉が身につき、それからコミュニケーションに使うようになる。」という「内→外」の言語発達、「個人から社会へ」という方向性を「発達」と考えました。
ちなみに、ピアジェ(Piaget,J.)の思考発達段階説 感覚-運動期についても書いておきます。
感覚-運動期とは、感覚を通し外界の物事をとらえ、その物に直接的に働きかけることなどの具体的な行動を通して外界を認識する時期。
第一段階(0~1ヶ月):生まれつき持った反射によって刺激に対して反応していく。
第二段階(1~3ヶ月)第一次循環反応:自分の身体部位に向けられた行動を連続的に繰り返す。
第三段階(3~8ヶ月)第二次循環反応:偶発的な対象操作を繰り返し、対象操作の結果どのように外界が動くかを把握する。
第四段階(8~12ヶ月):具体的な行動を通して目的-手段関係を理解して使用。対象の永続性(object permanence:視界から消えた対象が存在し続けていると認識する能力。表象能力representaionの原始的形態となるとされている。)が成立。
第五段階(12~18ヶ月)第三次循環反応:手段を変化させることによって結果の違いを調べることができる。目的のためにいろいろと手段を試し、うまくいくものを調べる。
第六段階(18~24ヶ月):目的-手段関係を表象し、ある目的と手段とのつながりの全体像をイメージできるようになる。新しい手段を発明。
ヴィゴツキーの理論もピアジェの理論もどちらも残っているということは、どちらも間違いとは言えないということですよね。
正反対なのに残っているというのは、面白いですね。
そういうことは、世の中にたくさんあるのだと思います。
それでは、また。
今日もありがとうございました。
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