櫻田武です。
新学習指導要領に初めて、「どのように学ぶか」という視点が示されました。
それは、「主体的・対話的で深い学び」です。
「主体的・対話的で深い学び」は、「どのように学ぶか」に対する、文科省が提案した「方法」です。
「原理」とは、物事の本質(エッセンス)を押さえたものであり、誰しも丁寧に考えていけば、なるほどそうだなと了解できるものです。
そして「方法」とは、特定の状況で特定の目的を達成する手段です。
そういう意味では、方法とは特定のもので、本来例外がないものです。
だから方法とは、つまりどういうやり方がよいかは、どういう「状況」で、何をしようとしているかという「目的」と無関係に考えることはできません。
したがって、「正しい方法」にとらわれる必要はないのです。
方法の有効性は、状況と目的に照らして考えればよいのです。
学校においては、「状況」の真ん中はもちろん「自分のクラスの子供」です。
つまり、他のクラスの子供や他の先生方には「良い方法」であっても、「自分のクラスの子供」には合わないかもしれないのです。
もう一度言いますが、「主体的・対話的で深い学び」は、「どのように学ぶか」に対する、文科省が提案した「方法」です。
なぜ文科省が初めてといえるくらいに、学習指導要領に「方法」を明記したのかと言いますと、1つには予測不能な社会がすでに始まっていることと、2つ目には、これまで学力向上に効果があったと思われる授業に、「主体的・対話的で深い学び」があったからです。
しかしこれも、状況と目的に照らして考える必要があります。
状況を踏まえて本当の目的を達成するためには、時には、「受動的・独黙的」な学びがあってもいいのです。
なんどもお話ししますが、「主体的・対話的で深い学び」は目的ではなく「方法」だからです。
目的は「学びに向かう力、人間性等の涵養」「生きて働く知識・技能の獲得」「未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成」であり、新しい時代に必要な「資質・能力」の育成です。
つまりは「生きる力」の育成です。
「主体的・対話的で深い学び」にとらわれすぎてはいけません。
鳥の目で俯瞰して見ることが時には大切ですね。
ちなみに、「主体的・対話的で深い学び」という言葉が学習指導要領で使われるのは、「主体的・対話的で深い学びに向けた授業改善」というワンセットの部分のみで、「主体的・対話的で深い学び」という部分だけでは使われていない、というお話を聞きました。
新学習指導要領の10年間、「向けた授業改善をしていけばいい」ともいえます。(笑)
今日もありがとうございました。
それでは、また。
>>>>>
*このVは、ちょっと古いけど、かなり勉強になりました。
「たった一度の人生を変える勉強をしよう~藤原和博氏」
>>>>>>>>>
*櫻田オススメの本
・「ニュータイプの時代」山口周「正解を出す力」に、もはや価値はない!
・「数学的に考える力をつける本: 本質をつかむ 考えがまとまる 説明上手になる 」(知的生きかた文庫)深沢 真太郎
・「はずれ者が進化をつくる」稲垣栄洋
・【人もウィルスも制御できぬ自然】福岡伸一
・「バカの壁」
・「メリットの法則」
・『地上最強の商人』
・「改訂版 新・ティーチング・プロフェッション 次世代の学校教育をつくる教師を目指す人のために」
・「子育ての大誤解」新版(上)ー重要なのは親じゃない(ハヤカワ文庫NF)
・「子育ての大誤解」新版(下)ー重要なのは親じゃない(ハヤカワ文庫NF)
・「言語化力(SBクリエイティブ)」
・「アルゴリズムフェアネス(KADOKAWA)」尾原 和啓著
・「世界がもしも100人の村だったら」
・『偉大なる選択』スティーブン・R・コヴィー (著) キングベアー出版
・『ビジョナリー・カンパニー2』ジム・コリンズ(著)
・「7つの習慣」スティーヴン ・R・コヴィー
・『第8の習慣』
スティーブン・R・コヴィー (著) キングベアー出版
・『7つの習慣 最優先事項』スティーブン・R・コヴィー (著) キングベアー出版
・『7つの習慣 原則中心リーダーシップ』スティーブン・R・コヴィー (著) キングベアー出版
・「崩壊フラグ」を見抜け!(必ずうまくいくクラスのつくり方)
>>>>>>
Comments