櫻田武です。
心理学における有名な、「犬に対する非道な実験」をご存知ですか?
これは、マーティン・セリグマンという心理学者が行った、犬に電気ショックを与える実験です。
Aグループの犬は、ボタンを押せば電気ショックを止められるような状態の部屋に入れて、電気ショックを与えます。
当然、Aグループの犬はボタンを押して、電気ショックを止めます。
Bグループの犬は、どうあがいても電気ショックから逃れられない状態で、電気ショックを与えます。
もちろん、Bグループの犬は電気ショックを受け続けるしかありません。
Cグループの犬は、何もしていませんでした。
つまり、何も学んでいない状態です。
そして、A、B、Cグループの犬を、別の部屋に移します。
その別の部屋は、ボタンが用意してあって、ボタンを押しさえすれば、電気ショックをとめられる、という状態になっていました。
つまり、Aグループがいた部屋と同じ条件です。
そして、電気ショックを流したのです。
その結果はどうなったと思いますか?
AとCの犬は10回中8回は電気ショックを止めたのですが、Bの犬は10回中3回しか、電気ショックを止められなかったのです。
つまり、現状を変えようとしても、現状を変えられないという「無力感」を何度も「学習」すると、現状を変えることをあきらめてしまうのです。
この心理のことを、マーティン・セリグマンは、「学習性無力感」と名づけました。
これは犬だけの結果でしょうか。。。
私たち人間にも当てはまりそうです。
現状を変えようとしても現状を変えられないという「無力感」を何度も「学習」すると、人間も、現状を変えようとしなくなるのです。
そして、この「学習性無力感」こそが、自己啓発の本などでよく言われる、「心のブレーキ」の正体の1つです。
もし、現状を変えようとしない人がいるのだとすれば、それはもしかしたら、「学習性無力感」なのかもしれない、ということです。
私は、全ての人には、自分の現状を変える力があると信じていますし、だからこそ、教育に関する仕事に取り組んでいます。
それでは、また。
今日もありがとうございました。
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◆今回の櫻田の推し本
「捨てられる教師 AIに駆逐される教師、生き残る教師 (SB新書)」・・石川一郎 (著)
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