
櫻田武です。
私が講演会やセミナーで一番最初に話す内容は、何だと思いますか?
それは、「なぜ、参加したのですか?」という問いかけです。
そして、「学びたいことは何ですか?」とさらに問いかけて、目的をメモしてもらいます。
なぜ、このようなことを話すのかと言いますと、問いのないところには「分かる」も「できる」も「楽しい」「おもしろい」もないからです。
問題があるということに気付かなければ、答えは永遠に見つかりません。
これが、授業のユニバーサルデザインでも非常に大切なところでもありますし、主体的・対話的で深い学びに向けた授業改善でも非常に大切なところでもあります。
脳には、RAS(Reticular Activating System:ラス)=網様体賦活系(もうようたいふかつけい)というシステムがあります。
簡単に言うと、フィルター機能を行う場所です。
たとえば「今何時?時計見てきてよ」とお願いされた時、時計を見ます。
そして、「今、何時何分です」と答えることができます。
しかし、「その時計はどこのメーカーでどんな形でアラビア数字であらわしていて何色でした」
というところまでは見ていませんよね。覚える意識をしていませんでした。
目の機能としては時計のすべてを見ていますが、”時間”にあたる部分しか確認できていません。
なぜ見ているのに記憶に残っていないのか?
それは「自己の生命に必要ない部分は省略する」という「RAS」機能独自の働きだからです。
「RAS」機能とは、見ているのにもかかわらず、必要な情報以外は記憶に残さないようです。
逆のたとえとして「今、エルメスのバッグに興味を持っている」時は、目に映るもの、聞こえるもの全てのうち、エルメスのバッグに関するキーワードに無意識に反応します。
なりたい自分、知りたい情報については敏感に反応するシステムのようです。
これも「RAS」機能が働いて、必要だと思っている情報に集中するよう脳の命令が行っています。
最初に問いを投げかけるのは、参加者に「RAS」機能を働かせるためでもあります。
子供たちにも、ぜひ「RAS」機能を働かせてあげてください。
それでは、また。
今日もありがとうございました。
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