櫻田武です。
毎年、年間に30~40件の教育相談を行います。
ていねいに聴くのは、「生育歴」です。
これは、国立特別支援教育総合研究所でお世話になった,宮城学院女子大学教授の梅田真理先生からの教えです。
先日、教育相談を行った1年生男子母親の主訴は、「衝動的で危険な行為をする。本人には話しているが直らないことが多い。興味のあることになると夢中になって止められない。周りが見えない」などでした。
生育歴をていねいに聴くと、「ハイハイをせずに10か月で立った。」ということが分かりました。
「ハイハイをしない」「立つのが早い」というのは、障がい児教育を学んだに先生にとっては、気になる点だと思います。
親にとってはうれしいことなのかも知れませんが、「自閉症スペクトラム」の疑いがあります。
なぜかというと、ハイハイするとおなかや腕の内側が床と触れる、その感覚がイヤなので立ち上がった」可能性があるからです。
気になったので、その他にも園での遊び、こだわり等を尋ねてみると、「園ではいつも一人でレゴブロックづくりをしていた」「スーパーに買い物に行くと買い物かごが斜めに積まれているのが気に入らず、必ず直して歩く」「朝の準備で順番が変わるとイライラする」など、担任の先生も知らない話が出てきました。
診断はされていないけれども、「自閉症スペクトラム」の特性はありそうです。
つまりは、「衝動的で危険な行為をする」のは、その原因に自閉症スペクトラムの特性である、「過敏さやこだわり等」がある可能性があるということです。
本人のまわりの環境にも目を向ける必要があります。
やはり、梅田先生のおっしゃるとおり、「生育歴」は子どもの特性をつかむために大事ですね。
それでは、また。
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