櫻田武です。
今日は、いただいたメールのご質問にお答えして。
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櫻田先生、お元気ですか。
前回のメールから現在まで、あの時に心配していたことが次第に現れ始めました。
登校渋りの児童が増え始めました。
先生の周囲ではいかがですか。
そのような情報は入っていませんか。
もちろん、あの時に、本校の先生方に「授業より、まずは学級づくりを」と伝えさせては頂いたのですが、なかなか難しかったようです。
そこで、今回、「不登校・登校渋り対応・第四小ヴァージョン」を作ろうと生活部の先生に話を持ち掛けました。
より具体的に表すことでしっかり担任や学年に動いてもらおうと考えたわけです。
どのような話になるかいささか心配ですが、まずは動いてみようと考えたわけです。
もし先生のお考えの中に、「これは」と思われる情報等がありましたら教えて下さい。
いつもお願いばかりですみません。
でもやはり、よろしくお願いします。
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私が、不登校対応として学校やお家の方にお話しするのは、「行動随伴性」です。
1930年代に米国の心理学者B・Fスキナーによって創始された心理学の一体系、行動分析学からの考え方です。
この考え方だと人間が行動するのは、次の4つを獲得するためです。(4つのメリット)
1事物の獲得
2注目の獲得
3課題からの逃避
4感覚刺激
「登校しぶり」「不登校」という行動の後に、上記の4つはないか、個人ごとに確認してみましょう。
厳しい言い方をしますと(直接先生方に話すと、先生自身が登校しぶりになりますので注意です。)、学校に来ないということは、本人がはっきり感じている感じていないにかかわらず、「学校に来ることにメリットを感じていない」ということです。
天秤の両側に「学校」「家」というお皿を乗せて、それぞれのお皿の上に、当事者の子の考えられるファクターを乗せてみましょう。
▶︎学校・・・「〇〇くんに会う(プラス)」「計算をやらなくちゃいけない(マイナス)」「給食が美味しい(プラス)」・・・
▶︎家・・・・「お母さんに叱られる(マイナス)」「ゲームができる(プラス)」「勉強がわからなくなる(マイナス)」・・・
学校の方が家よりもプラスが多くて重くなれば、学校に行きます。
家の方がプラスが多くて重くなれば、学校に行きません。
単純なお話です。
天秤に乗せるファクターを変えて、学校のほうに傾くようにしてあげます。
厳しかったでしょうか。。。
まあ、一つの考え方として、頭の片隅にでも置いていただけたらと思います。
とはいいながら、自分も不登校の子を2回担任した経験から話しますと、「愛だろ、愛」という部分も大いにあります。
一人の男子は、「先生が迎えにきてくれるから」「先生を困らせたくないから」という理由(本当の意味でいいか悪いかわかりませんが)で登校しました。
一人の女子は、「〇〇くんが励ましてくれたから」(私も必死に家庭訪問、電話とかやったんですよw)という理由で登校しました。
先生がどんなに頑張っても、好意を寄せてる一人の友達には勝てない場合もあります。
それでも、いいと思います。
担任じゃない先生の一言も救いになるかもしれません。
担任の先生が一人で抱え込むことなく、全職員が全児童の担当というゆるーい感じでいいのではないでしょうか。
*わたくしの立場上、今回は「学校なんかいかなくていいじゃん」という意見は出せませんので、そこは、ご理解いただければと思います。
今日もありがとうございました。
それでは、また。
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ぜひ読んでみてください。
(中古でもOKな方は、お安くなっていますね。)
・メリットの法則 行動分析学・実践編 (集英社新書) 奥田健次 (著) 形式: Kindle版
・行動分析学入門 ――ヒトの行動の思いがけない理由 杉山尚子(集英社新書) Kindle版
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