櫻田武です。
今日は当時の文科省の課長コラムをシェアします。
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「令和の日本型学校教育」〔初等中等教育局初等中等教育企画課長 浅野敦行〕
2020年11月7日、中央教育審議会初等中等教育分科会において、新しい時代の初等中等教育のあり方について、昨年4月の包括的な諮問に対する中間的なとりまとめが行われた。
包括的な諮問であるため、広範な内容となっているが、ぜひご一読いただきたい。
この中間まとめの議論には、2つの大きな要素が影響している。
一つは審議を進めていただいたメンバー。
これまでの議論に携わってきた専門家、学校現場や教育行政に携わる方々、様々な団体等に加えて、新しい取り組みを現場で実践している新進気鋭の方々にも参画いただいた。
これまで以上に活発な議論を行っていただいたものと確信している。
もう一つは審議を取り巻く情勢。
今回の諮問後にGIGAスクール構想の急速な進展と、新型コロナ感染症による学びの新たなスタイルの模索が、急遽、被さってきた。
昨年の今頃は、初等中等教育分科会においてICTや先端技術の在り方について特に優先的な審議が行われた中にあっても、GIGAスクール構想の芽は地中深く埋まっており、新型コロナウイルス感染症が日本の社会と世界の在り方を大きく変化させることなど予想もされなかった。
この中間まとめの大きな背骨にだけ言及したい。
それは、この副題になっている「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びの実現」である。
この副題を掲げた意味は2つの視点から考えられる。
1つは、これまでも学習指導要領では一貫して、個人の特性に応じた指導がうたわれてきた。
しかしながら、現実にどこまで実現できるかについては、どのような環境の下で行われるかによるところが大きく、これまでの教育でそのことが十分に実現され、個々人の興味・関心や能力、適性等に対応した教育が行われてきたとは必ずしも言い難い。
形式的な授業時数の確保や教科書を最初から最後まで教え切るといった点のみが重視され、受け手側の学習者が理解できているか、一人一人にあった学習内容になっているかが、十分に重視されてきたと言えるだろうか。
このことは、各教師が担当する児童生徒数の多さやそれをアシストする環境の整備が不十分だったことにも起因する。
しかしながら、今後は、GIGAスクール構想によるオンライン・遠隔教育や学習履歴などICTという強力なアシストを得て、児童生徒の個別の学習状況などを教師が把握しやすくなる。
さらに担当する児童生徒数を減じることができれば、この副題の趣旨を大きく実現に近づけるチャンスとなるのではないか。
これを受けて、中間まとめでは、(1)補充的・発展的な学習指導の充実、(2)特定分野に特異な才能を持つ児童生徒に対する指導に関する実証研究の実施について触れている。
もう1つは、ICTも活用して基礎基本の習得をより確実にする一方で、AI技術が高度に発達するSociety5.0時代にこそ、児童生徒同士による学び合いなど、協働的な学びの重要性がより一層高まっていくということである。
コロナのための臨時休業の長期化による学習の遅れを取り戻す中で、真に学校でやるべき教育はなにかということが改めて問われた。
オンラインで指導を行うことができた学校においても、改めて協働的な学びや集団による活動などの重要性が認識されたようである。
主体的・対話的で深い学びを実現するためには、対面・集団による協働的な学びが不可欠である。
オンライン・遠隔授業では代替が困難な学習であり、学校における教師による指導がより重要となる。
このような個別最適な学びと協働的な学びを充実させていく観点から、教科等横断的な視点で教育課程を編成・実施するカリキュラム・マネジメントの重要性が改めて指摘されており、中間まとめの中では、カリキュラム・マネジメントに係る学校裁量の幅の拡大の一環として、教科等の特質を踏まえつつ、教科等ごとの授業時数の配分を一定程度弾力化することが可能となる制度を設けるべきとされている。
学校ごとに児童生徒や学校の実態を踏まえながら、カリキュラム・マネジメントが充実され、個別最適な学びと協働的な学びを組み合わせた時間の使い方となることが期待される。
これまでの我が国の学校教育の良い点を受け継ぎながら更に発展させる「令和の日本型学校教育」は、これまでの教育とあまり変わらないのではと誤解されることもあるが、ここまで説明させていただいたように、実は目標に掲げながら実現できてこなかった教育を目指して初等中等教育を抜本的に変えていくことを示唆している。
現在、関係団体からのヒアリングが行われているところであるが、今後、来年早期の答申に向けて更に審議を重ねていただく中で、事務局としても主体的・対話的で深い学びを続けていきたいと思っている。
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いかがでしょうか。
まさに、子供主体の学校づくり、授業づくりが進んでいく感があります。
児童生徒や学校の実態を踏まえながらカリキュラム・マネジメントによって、教科の時数を変えてもよいという、新しい考え方が示されています。
小学校の先生は、すでに行っているかも知れませんが、もっと1年間や学年を超えた教科の内容を見通したカリキュラム・マネジメントを今から意識していくことが大切だと思います。
それでは、また。
ありがとうございました。
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UDあきた 櫻田武です。
今年度から、秋田県大仙市立太田東小学校の校長となりました。
今後ともよろしくお願いいたします。
11月の算数授業研究会に向けて、UDLの算数授業について研究しております。
そのノート計画をみなさんにもシェアします。
ぜひ、ご自身、また同職の5年生の先生に見ていただき、加筆修正、ご意見ご感想をいただけたら幸いです。
*教科書は、東京書籍です。
そのご意見を参考に、さらに授業改善を図っていきたいと思います。(特にタブレットをどこでどう使うかに悩んでいます。タブレット導入時は、市教委最後~教頭でしたので。)
ご質問も受け付けます。
よろしくお願いいたします。
◆9.分数と小数、整数
*業者テストは、著作権があるので、使用は控えていただくようにお願いいたします。
UDあきた 櫻田武
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◆UDいわて&UDあきたコラボ研修会「UDL(学びのユニバーサルデザイン)の実際」
日時 11月16日(土)14:00~16:30
場所 きたかみ駅前レンタルルーム ルームB(オンラインハイブリッド)
料金 無料
申込 近日配信予定
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櫻田の推し本
「学問には型がある〜基礎からわかる 論文の書き方 (講談社現代新書)」
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