櫻田武です。
学習指導要領は、主体的・対話的で深い学びに基づく指導方法の質的改善が求められています。
しかし、これは、ASD児にとって、問題です。
なぜなら、ASD児は、障害特性から対話的な学習に多くの困難を伴うからです。
対話的な学習には、生まれたときから養育者との間で共同注意が成立し、二項関係の時期における母子間のやりとりや他者との関係の構築が重要であるからです。
これまで、ASDタイプの子どもたちにとって行われていたことは、自閉症の障害特性に配慮した対人関係への配慮や指導方法が多かったと思います。
これは、「学習の本質(学習意欲・興味関心等)からはずれ、大人の考えを強要し、子供の行動変容を求めている。」と、島根大学の樋口先生がおっしゃっています。
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ASD児が、教師が準備した授業や活動に参加しない原因は、
「ASD児が環境に合わせた対応が困難なため、個の特性を環境にどうかさせようとする傾向が強い」
「自分が既に身に付けている行動様式や自分の価値観に合った行動で、外界に働きかける」
ため、ということでした。
・能動的活動には、「教師が準備した教材や活動」と「自分が身に付けている行動様式や自分の価値観」を合致させる必要がある
・活動の目的と活動の役割、活動における構成員(参加者)の価値観を意識する
・初めから教育の目標に合わせたかかわりを行うのではなく、子どもの好きな活動から入る
・教師の価値に合った活動からではなく、子どもの価値観に合わせてかかわりを始める
子どもの価値観に沿った活動を行い、関係構築後、教師のもつ価値観(教育目標の達成)に自発的に歩み寄る状況を作ることが重要だということでした。
子どもの実態を知り、子どもの問いを生かした単元計画を子どもと一緒に作ることが、やはり必要ですね。
それでは、また。
今日もありがとうございました。
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