
櫻田武です。
道徳科の授業実践は、教師力を上げるために欠かせないと思っています。
積極的に周りの先生と授業を見合う機会をつくったほうがよいと思います。
クラスに発達障害のある児童生徒がいる場合には、さらに力量が試されます。
今日は、ASDタイプの児童生徒への道徳科の指導についてです。
ASDタイプの子供の困難さは、どのようなところですか?
他人との社会的関係の形成の困難さという点が挙げられます。
「社会性の発達が遅い」
「相手の心情理解が難しい傾向がある」
「暗黙のルールが理解できない傾向がある」
「特定の人物へのこだわり(やめない、変えない、始めない)傾向がある」
「感覚が過敏であることが多い」
この特性が道徳の授業でどんな困難さに結びつきますか?
・相手の気持ちを想像することが苦手で、字義どおりの解釈をすることがある。
・明文化されていないもの、暗黙のルールや一般的な常識が理解できないことがある。
・こだわり行動または感覚の過敏により、望ましいと分かっていてもそのとおりにできないことがある。
・誤って学習したことの修正が困難な傾向がある。
そこで、次のような配慮が必要となりそうです。
・他者の心情を理解するために、役割を交代して動作化や劇化を行う。
・「〇〇ですと言ったのは、△さんが『〜だ』と思っていたからです。」など主語を明確にして説明する。
・分かりやすく伝えるために、イラストにしたりせりふを書き込んだりすることができるようにする。
・ルールは明文化する。同時に、本人が理解してもこだわり等により変えられない場合もあると理解しておく。
・最初から正しい知識を伝え、途中で修正する必要のないようにする。また、誤った理解をしていないか適宜確認し、できる限りの修正をする。
(参考:H 28.7.22 道徳教育に係る評価等の在り方に関する専門家会議 別紙4 発達障害等のある児童生徒に対する道徳科の指導について「特別の教科 道徳」の指導方法・評価等について(報告))
いかがでしょうか。
「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」 (平成25年12月5 日 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課) では、「対人関係やこだわり等」の問題を著しく示すASDタイプは、1.1%いるという結果でした。
この子たちのバリアを未然に取り除いてあげるためにユニバーサルデザインの授業づくりが必要ですね。
それでは、また。
今日もありがとうございました。
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