櫻田武です。
私が小学校2年生の担任だった時、九九の暗誦は春から行いました。
普通であれば九九の学習は秋からですよね。
でも、帰りの会にお遊びとして毎日一つの段ずつ唱えていました。
最初は、私が一つ唱えた後、子供たちが声を揃えて一つ唱えます。
T「九一が9」 C「九一が9!」
T「九二 18」 C「九二 18!」
のような感じです。
子供たちは、唱えている言葉の意味などは分かりません。
けれども、本当の九九の学習が始まる頃には、全ての子供たちが、順唱も逆唱も、抜き打ちの九九も、答えからの式もパッと答えられるようになりました。
それはそうですよね。
150日ほど繰り返しましたから。(笑)
そして、本当の九九が始まった時には、「そういうことだったのかあ。」と目をキラキラさせて九九の意味を理解しましたし、すでに空では言えますから自信にもつながりました。
保護者にもずいぶんと感謝されましたよ。(笑)
記憶するには、適性時期というものがあります。
長期記憶の中で、いつどこで何をしたという過去の自分の経験や出来事に関連した記憶を「エピソード記憶」と言います。
一方、経験とはあまり関係ない、ワシントンはアメリカの大統領とか、ペンギンは空を飛べないとか、交差点を左に曲がるとガソリンスタンドとか、抽象的な記憶である「知識」の記憶を「意味記憶」と言います。
九九は、意味記憶です。
小学校で2年生でかけ算の九九を教えますが、それは、意味記憶がよく発達しているこの時期を狙って暗記させようという意図なのです。
この頃の子供は、論理めいたことではなく、むしろ意味のない文字や絵や音に対して絶大な記憶力を発揮します。
逆に、中学生になる頃には、EP記憶が完成されて、論理だった記憶力が発達してきます。
成長してから九九のような意味記憶を行うのはかなり至難の技なのはこのせいです。
「門前の小僧習わぬ経を読む」ではないですが、意味が分からないだろう、多分無理だろうと勝手に判断してチャレンジさせないのはもったいないですよ。
特に記憶については、小さい時に意味なく詰め込むのも一つの作戦です。
学校が嫌にならない程度に、ですけれど。。。
それでは、また。
今日もありがとうございました。
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