櫻田武です。
「集中力が持続しない」
この困り感を話す先生方は多いと思います。
「集中力」というのは、土田（１９８５）によれば、脳の感覚統合発達過程の「最終産物」です。
だから、集中力が持続しないという場合には、その下位の運動・行為の発達と感覚統合に問題があると考えた方がよいかもしれません。
感覚統合とは、人が環境に対して適応するために、自分自身の身体と環境から取り込まれた感覚情報を脳が処理（組織化・統合）する過程です。
感覚の種類は、視覚、聴覚、触覚というものが有名ですが、その他に、前庭覚、固有覚という感覚もあります。
特に、姿勢の調整や運動機能と感覚情報処理に重要なのが、前庭覚、固有覚、触覚です。
前庭覚、固有覚、触覚に多少の傾きや歪みがあれば、目の動きや姿勢、バランス等に問題が生じます。
それは、身体知覚や身体の協調性、注意の持続性、情緒的安定性に問題が生じさせます。
そのことは、ことば、目と手の協応、視知覚、目的を持った活動に問題を生じさせます。
結果として、集中力、組織力、自尊心、自己統制、自信、強化的学習能力、抽象思考、推理力等に問題が起こるというわけです。
「集中力」というのは、実は、レベルの高い行為なんですね。
集中力が持続しない場合、「集中力を持続させよう」と何かをする前に、「目の動き」「姿勢」「バランス」等の身体の動きがスムーズにできているかどうか、確認してみましょう。
それでは、また。
今日もありがとうございました。
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